2018年に出た本で印象深かったもの 増補

2018年は図書館員から大学教員への転職などがあり、また近親者を見送ったり、個人的には大きな変化、別れのあった一年でした。そんななかで読んで考えさせられたもの、印象に残ったものなどをランダムに挙げていきます。お送りいただいたものでご紹介できな…

近代日本の留学生の歴史に関する文献リスト

我が家にテレビがないので「西郷どん」は視聴できていないのだが、8月26日の放送では、長州ファイブや薩摩スチューデントについて言及があったようだ。 長州ファイブ [DVD] 出版社/メーカー: ケンメディア 発売日: 2007/09/28 メディア: DVD クリック: 33回 …

高校日本史の学び直しに向けて今何ができるだろう

※8/23ちょっと文献追加 図書館を退職して大学に移って日々感じていることの一つに、高校で日本史を取らずに大学に入って、後で日本文学やその他の授業でやっぱり日本史の知識がいるんじゃないかと苦しんでいる子の存在がある。日本史の担当教員になった以上…

日本文化論を学ぶ人に勧める本のリスト

今年、本務校の大学で、「日本文化論」という講義を担当した。授業のレポートも締め切ったので、講義中で取り上げた本、発展的に知りたい人におすすめの本、本当は取り上げたかったのだが時間的制約で断念した本、などをまとめておく。不十分なリストである…

大学1年生に一読を勧める本のリスト

図書館を退職して大学教員になって、4か月が終わろうとしている。なんだかあっという間だったが、学生さんの顔を見ていると元気が出てくるもので、授業は上出来とはいえなかったかもしれないが、どうにかここまで来ることができた。 図書館勤めの経験を活か…

日本の検閲に関する本についてまとめ

少し前から必要があって集中的に検閲とか言論統制に関わる本を読んでいたら、友人に検閲についてわかりやすくまとめた本は無いものかと聞かれ(なにやらtwitterで言論統制の歴史がちょっと話題になったようでもあり)、まとまっているもの、となるとすぐに思…

第19回 #図書館総合展 に行ってきた。

図書館総合展とは、毎年秋に横浜で3日間にわたって開催されているもので、公共や大学、その他各種の図書館関係者が集まって様々なフォーラムが開かれ、図書館のこれからについて議論するとともに、図書館に関わりのある新商品、新たなサービス、新システムの…

ICT時代の日本史文献管理・再考

※以前の記事「ICT時代の日本史文献管理考」の続編?です。 ※例によって、自分のやり方を書いてみて、もっといい方法が無いか考え直す作戦ですので、アイデアがあったらおよせください。 日本史の研究について、少し前に出た『わかる・身につく歴史学の学び方…

「図書・図書館史にまつわる本棚」を作ってみた

最近、図書館史ってどうやって勉強するんですか、と言われることが増え、また、人前でも話す機会が増えたので、その都度「独学です」と答えるのも心苦しく、言われたほうも困るだろうと思うので、ふと思いついて、ブクログのサービスを利用して、「図書・図…

図書館史ノートその4 印刷の歴史

今日流通している本は紙に印刷されて複製、頒布されている。印刷という場合、紙などにインクを使って文字、図、写真を複製することを指すが、パソコンの普及や技術の発展などにより、昔の定義と今日の定義ではだいぶ様変わりしている。 印刷の起源も、実は定…

図書館史ノートその3 文字の発明、文字の記録

図書館に伝えられた様々な記録メディアが伝えるものの中核には「文字」の存在がある。 文字がなかったら今と同じようなコミュニケーションは考えられないし、複雑な思想や知識を伝達することも困難であったろう。 図書館で働いている私たちや、これから図書…

図書館史ノートその2 図書・図書館史の参考文献

順番が前後したが、図書・図書館史を学ぶために参考になるものを挙げておく。 司書課程のテキストとして、主なものには以下のものがある。なお、教科書の比較については第20回関西文脈の会における佐藤翔氏の発表内容「司書養成科目「図書・図書館史」を考え…

図書館史ノートその1 メディアの発展と図書館

これからしばらく、図書館の歴史について、ノートめいたことを書いていきたい。あとで直すための下書きのようなものなので、文章の乱れや議論の粗雑さはご容赦いただきたい。 図書・図書館史 (JLA図書館情報学テキストシリーズ 3-11) 作者: 小黒浩司 出版社/…

文庫と書籍館と図書館と―libraryはいつから「図書館」になったのか?

※修正中に消えてしまったので再投稿します。 ※勘違いがあったので修正しました(2016/6/2) 図書館史中の最大疑問? 図書館史の勉強を始めると色々疑問がわいてくるのだが、そのなかでもっとも基本中の基本にして、しかも実は難問なのは、図書館はいつからあ…

続・「図書館記念日」をめぐるあれこれ

人間だれしも誤りはあるものなので、間違った情報をうっかり人に伝えてしまうのは、ある意味では避けられない仕方ないことなのだが、大事なのは、間違いに気付いたときに、開き直らずに、それをちゃんと認めるということなのかなと思う。自分もやれといわれ…

「図書館記念日」をめぐるあれこれ

ある質問から 図書館史を勉強するようになって、図書館関係者から最も聞かれたことに次のような質問がある。 「4月2日は図書館記念日で、それは明治5年に書籍館が開設されたことに由来するらしいが、本当か?」 いろんな人がネットで調べて疑問に感じるらし…

John Palfrey. BiblioTech(『ネット時代の図書館戦略』)読書メモ

BiblioTech: Why Libraries Matter More Than Ever in the Age of Google 作者: John Palfrey 出版社/メーカー: Basic Books 発売日: 2015/05/05 メディア: ハードカバー この商品を含むブログを見る ネット時代の図書館戦略 作者: ジョンポールフリー,John …

ピーター・バーク著・井山弘幸訳『知識の社会史2』読書メモ

知識の社会史2: 百科全書からウィキペディアまで 作者: ピーターバーク,Peter Burke,井山弘幸 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2015/07/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 「本書では、思想を語らないというわけではない―制度を理解す…

読書週間なのでお勧め本のプレゼンをする

Twitterで「#読書週間だからRTされた数だけお勧め本プレゼンする」というタグがあったのでやってみた。 結構主題がばらけたので、備忘のために、もう一回主題別にまとめなおしてみたら、自分の日ごろの関心が思いのほかくっきり出たので、関連で思い出した本…

柳与志夫『文化情報資源と図書館経営』読書メモ

文化情報資源と図書館経営: 新たな政策論をめざして 作者: 柳与志夫 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2015/02/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 日ごろお世話になっている柳さんから、以前お送りした本のお返しにということで、な…

ICT時代の日本史文献管理考

ちょっとした危機感 現在刊行中の『岩波講座日本歴史』は、一応毎回購入して一冊一冊読みながらノートをつけているのだが、つい先日、近現代のとくに新しい時代に入ってきた巻を読んでいたところ、結構強いショックを受けた。ちょっと専門の時代や主題がずれ…

牧義之『伏字の文化史』読書メモ

牧義之『伏字の文化史:検閲・文学・出版』(2014.12、森話社) 伏字の文化史―検閲・文学・出版 作者: 牧義之 出版社/メーカー: 森話社 発売日: 2014/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る 伏字の文化史 検閲・文学・出版 [ 牧義之 ] ジャ…

敢えて読書史と読者史に思うことの断片いくつか

――和田敦彦『読書の歴史を問う―書物と読者の近代』読書メモ 読書の歴史を問う視点 和田敦彦著『読書の歴史を問う―書物と読者の近代』(2014年、笠間書院)を読んだ。 読書の歴史を問う: 書物と読者の近代 作者: 和田敦彦 出版社/メーカー: 笠間書院 発売日: …

レファレンス・サービスは自らの来歴を語りうるか

不遇のサービス? 図書館におけるレファレンス・サービスの真価が理解されていないという話がある。 図書館関係者の嘆きでよく聞く類の話題である。海外で資料調査してきた人だと、「すごいね向こうの図書館!レファレンスライブラリアンってのがいてさ、何…

「最近の図書館システムの基礎知識」を読んで考えたこと

最近の図書館システムの基礎知識 『専門図書館』264号(2014年3月)に掲載された林豊氏の「最近の図書館システムの基礎知識―リンクリゾルバ、ディスカバリーサービス、文献管理ツール」という記事を読んだ。 『専門図書館』の図書館システム特集に解説記事を…

日本史研究とiPad

本年もどうぞよろしくお願いいたします。 今年は正月休みも長く、例年より少し長めに帰省したりできたので、多少時間も出来、iPadを使いながら原稿を書くようなことを試みたところ、ふと、次のような疑問がわいてきた。 「自分は、iPadを買ってから1年が経過…

京都府立総合資料館開館50周年記念シンポジウム「総合資料館の50年と未来」 参加記(後篇)

(前回の続きです) 記録を読み返していて思うのですが、やはりすごいイベントでした。 また、下記でも前篇につき言及いただいたようです。ありがとうございます。 シンポジウム「総合資料館の50年と未来」に行ってきました・記録 -- egamiday 3 シンポジウ…

京都府立総合資料館開館50周年記念シンポジウム「総合資料館の50年と未来」 参加記(前篇)

京都に行ってきました。 実は2週間ぶりだったのですが、前回は日程がキツキツであまり市内も回れなかったところ、今回は夜行で行ったので、秋の京都を少しだけ堪能できました。 平安神宮周辺。岡崎から南禅寺方向を眺めて 五条大橋から鴨川風景 …こう書くと…

私のささやかな「人文学」

ところで「人文学」というのは結局何なのだろうか――と、この半年くらい(正確にはもうちょっと長い間)考えている。 「人文学」という言葉の由来については、私自身、過去に気になって語誌を辿ってみたことがあるのだが、1920年代には「人文学」は「地文学」…

楊暁捷・小松和彦・荒木浩編『デジタル人文学のすすめ』読書メモ

「デジタル人文学」という領域 このたび、勉誠出版から刊行されている『デジタル人文学のすすめ』という本をいただいた。 デジタル人文学のすすめ 作者: 楊暁捷,小松和彦,荒木浩 出版社/メーカー: 勉誠出版 発売日: 2013/08/01 メディア: 単行本(ソフトカバ…