2013-01-01から1年間の記事一覧

京都府立総合資料館開館50周年記念シンポジウム「総合資料館の50年と未来」 参加記(後篇)

(前回の続きです) 記録を読み返していて思うのですが、やはりすごいイベントでした。 また、下記でも前篇につき言及いただいたようです。ありがとうございます。 シンポジウム「総合資料館の50年と未来」に行ってきました・記録 -- egamiday 3 シンポジウ…

京都府立総合資料館開館50周年記念シンポジウム「総合資料館の50年と未来」 参加記(前篇)

京都に行ってきました。 実は2週間ぶりだったのですが、前回は日程がキツキツであまり市内も回れなかったところ、今回は夜行で行ったので、秋の京都を少しだけ堪能できました。 平安神宮周辺。岡崎から南禅寺方向を眺めて 五条大橋から鴨川風景 …こう書くと…

私のささやかな「人文学」

ところで「人文学」というのは結局何なのだろうか――と、この半年くらい(正確にはもうちょっと長い間)考えている。 「人文学」という言葉の由来については、私自身、過去に気になって語誌を辿ってみたことがあるのだが、1920年代には「人文学」は「地文学」…

楊暁捷・小松和彦・荒木浩編『デジタル人文学のすすめ』読書メモ

「デジタル人文学」という領域 このたび、勉誠出版から刊行されている『デジタル人文学のすすめ』という本をいただいた。 デジタル人文学のすすめ 作者: 楊暁捷,小松和彦,荒木浩 出版社/メーカー: 勉誠出版 発売日: 2013/08/01 メディア: 単行本(ソフトカバ…

辞書事典にしたしむの話2――佐滝剛弘『国史大辞典を予約した人々』読書メモ

(本記事は出たばかりの本のネタばれを含みますので、ご注意ください) 国史大辞典 何とも変わった本が出た。本書は、『国史大辞典』を予約した人々はだれか、ということをひたすら紹介し続けるという本である。 国史大辞典を予約した人々: 百年の星霜を経た…

辞書事典にしたしむの話

図書館におけるレファレンスってのは、何なんだろうとこの頃考えている。私がレファレンスの担当になって、ひと月ほど経った。 『夜明けの図書館』の葵ひなこさんなら、「Q.レファレンス・サービスって何」と聞かれたら、 「司書が利用者の調べもの、探しも…

三たび、<アーカイヴ>を思想する、その手前で。

highway61さんから、拙文へのコメントを頂戴いたしました。 「<アーカイヴ>を思想する、その手前で」を読んで - 本の地図、真夜中のグランドで ほんとうに恐縮してしまうほど、丁寧に読んで下さり、また拙文の問題点を指摘してくださっています。弁解じみ…

文化と社会のパラドクスについて――明治時代の「美術」問題から

芸術は誰のものなのか。みんなのものなのか、あるいは見る人が見て分かれば良いものなのか。マルクス主義なら使用価値に対する交換価値としてこれを論じるだろうし、文化人類学なら生存財に対する威信財としてこれを論じるだろう。そのパラドックスは、私が…

ジャック・デリダ『アーカイヴの病』読書メモ―<アーカイヴ>を思想する、その手前で。

※前回前置きで終わってしまった記事の続きです。 原題は”Mal d’archive.”1995年刊行。英訳すると”Archive Fever.” “mal”は「苦痛」。外務省のHPにも咄嗟のフランス語みたいなページがあって、それを見ると、頭痛は” mal de tete”とかあるので、そういうニュ…

<アーカイヴ>を思想する、その手前で。

少し思うところがあって、ポスト・モダン系、現代思想系の本を読んでいる。就職してからすっかりご無沙汰になっていたのだが、やはり学生時代に愛読していた仲正昌樹さんの解説に助けられながらではあるが。また思想系の本を手にとってみようと思った理由の…