歴史学

ICT時代の日本史文献管理・再考

※以前の記事「ICT時代の日本史文献管理考」の続編?です。 ※例によって、自分のやり方を書いてみて、もっといい方法が無いか考え直す作戦ですので、アイデアがあったらおよせください。 日本史の研究について、少し前に出た『わかる・身につく歴史学の学び方…

ピーター・バーク著・井山弘幸訳『知識の社会史2』読書メモ

知識の社会史2: 百科全書からウィキペディアまで 作者: ピーターバーク,Peter Burke,井山弘幸 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2015/07/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 「本書では、思想を語らないというわけではない―制度を理解す…

私のささやかな「人文学」

ところで「人文学」というのは結局何なのだろうか――と、この半年くらい(正確にはもうちょっと長い間)考えている。 「人文学」という言葉の由来については、私自身、過去に気になって語誌を辿ってみたことがあるのだが、1920年代には「人文学」は「地文学」…

「図書館と歴史学の間」小考

最近目にとまった記事から 興味深い3つの記事の紹介から始めてみたい。 山田太造「日本史研究推進における情報技術・デジタル技術の役割」『人文情報学月報』第17号(2012年12月27日付発行) 情報学と日本史研究の「距離」について、こんな風に的確に要約さ…

「残念な論文」執筆法

院生時代に愛読していた『MASTERキートン』に好きな話がある。研究者と保険屋の間で「優秀な保険の調査員」であることに悩んでいたキートンが大学図書館に行ったときのもので、図書館でバイトしている院生がカウンターに現れた人物をキートンと知るや、その…

『歴史学および日本文学研究者に対する実態調査からみる人文科学系研究者の情報行動』を読んだ。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。 さて、昨日、素晴らしい報告書を発見してしまい、小躍りして人に紹介しまくっていたのですが、ただ紹介するだけでなく、どの部分に感銘を受けたかについて、少し紹介させていただきたいと思います。 ここから、いつ…

高校日本史と大学の日本史研究のあいだ

またも同僚との会話で恐縮なのだが、「日本史を研究するって具体的にどういうことなんですか。もうあらかたのことはわかっちゃってるんじゃないですか、とくに最近のことは」ということをたまに言われる。 たぶん私だけでなく、歴史学を専攻していた人は、同…

人文系必読書をめぐる議論について・その3

正直に告白すると、私は本を読まない高校生だった。いや、中学生のころも小学生のころも、読まなかった。 そもそも高校2年の秋まで美大進学をかなり本気で考えていたので、活字の本などむしろ邪魔だくらいに思っていた。そんな人間が今図書館で働いているの…

人文系必読書をめぐる議論について・その2

すごく中途半端に話が終わってしまってすみませんでした。 以下の記事も、何か凄く言いわけの補足の蛇足じみているのですが、もしお付き合いいただけるなら、幸いです。 -------------------------------------------------------------- さて、人文系の必読…