本リストは、私、長尾が2023年度に「日本研究概論」という授業で学生に紹介した文献リストの一部を公開するものです。聴講者は1、2年生向けの入門講義でした。
講義としては、日本研究の来歴を振り返り、近代日本の文化を今日的な視点から研究する際の論点をトピックごとに論じるというものでした。学際的で多岐にわたる領域の話なので、何かしら気になったところから読書が広がっていけばいいなと思い、まだまだ不十分ですが、提示します。
※各論については省略します。
日本学/日本研究の方法
西川長夫『国境の越え方』増補版(2001、平凡社ライブラリー)
與那覇潤『日本人はなぜ存在するか』(2013、集英社インターナショナル)
猪木武徳ほか編『新・日本学誕生 国際日本文化研究センターの25年』(2012、角川学芸出版)
加藤典洋『増補 日本人の自画像』(2017、岩波現代文庫版)
伴野文亮, 茂木謙之介編『日本学の教科書』(2022、文学通信)
シュミット堀佐知ほか編『なんで日本研究するの?』(2023、文学通信)
※同書評
日本文化論・日本人論
南博『日本人論』(1994、岩波書店)
大久保喬樹『日本文化論の系譜 : 『武士道』から『「甘え」の構造』まで』(2003、中公新書)
遠山淳,中村生雄,佐藤弘夫編『日本文化論キーワード』(2009、有斐閣)
船曳健夫『<日本人論>再考』(2010、講談社学術文庫)
外から見た日本
佐伯彰一・芳賀徹編『外国人による日本論の名著』(1987、中公新書)
内田宗治『外国人が見た日本』(2018、中公新書)
日本研究を支える人と資料
江上敏哲『本棚の中のニッポン』(2012、笠間書院)
井田太郎・藤巻和宏編『近代学問の起源と編成』(2014、勉誠出版)
小山騰『ケンブリッジ大学図書館と近代日本研究の歩み: 国学から日本学へ』(2017、勉誠出版)
田中あずさ『サブジェクト・ライブラリアン』(2018、笠間書院)