2022-01-01から1年間の記事一覧

帝国図書館の利用者たち

">『メディア史研究』52号(2022年8月)に「帝国図書館の利用者たち」というのを書いた。 "> cir.nii.ac.jp 元々、大正、昭和期の帝国図書館史のことをちゃんと調べられていないなという問題意識から準備したもので、メディア史研究会の例会で発表した…

歴史資料(史料)とは何かについて

講義で「史料と史料批判」について説明する際、自分は次のような説明を行っている。 * 史料とは、歴史研究者が読み解く素材であり、文学研究者や思想、美術の研究者が「作品」に対するように、社会学や経済学の研究者が統計を分析するように、あるいは理系…

論文のルールをドレスコードのようなものとして理解する

相変わらず論文の書き方の本ばっかり読んでいるわけだが、日本語学の石黒圭氏の本が面白い。 論文・レポートの基本 作者:石黒 圭 日本実業出版社 Amazon 特に後半は、これは日本語学を専門とする著者ならではのものだと思うが、論文用の適切な日本語表現につ…

論文とその課題設定について

山内志朗『新版 ぎりぎり合格への論文マニュアル』を読んでいて、「そうそれ!」とものすごく同意できる一文があった。 立派な論文・著書を読んで、「私には付け加えることはありません、素晴らしい内容ですので理解して、整理したいと思います」という殊勝…

レポート執筆における主観と客観

レポートの書き方を授業で指導するなかで、「客観的」「論理的」に書こうねと話をする。自分の個人的な主張や感想を語るだけではダメなので、客観的な根拠が必要なんだよ、と話す。感想文とレポートは違うんだよ、というバリエーションもある。 例えば慶應の…

次世代デジタルライブラリー以後の歴史研究

NDLの次世代デジタルライブラリー、機械が文字を読み取って明治大正時代の資料まで検索できるということですごいものになっている。『樗牛全集』に関しては事実上全文検索ができるようになってしまった。 そんななかで次の記事を見た。 cocolog-nifty.hatena…

ジャパンサーチと歴史研究

本務校の紀要にこういう論文を書いた。 「ジャパンサーチと歴史研究―日本近代史分野での活用を中心に―」『城西国際大学大学院紀要』25号(2022年3月) ちょっと前に図書館史の勉強会で発表した内容を修正したもの。 歴史学である以上、史料は原本を見なけれ…